BMX(自転車競技)選手
第一学院に通いながら、BMXという、自転車に乗ってくるくる回ったり飛んだりする競技の選手をしています。BMXとの出会いは中学1年生の時です。テレビでパフォーマンスを見て、「かっこいい!」と心を打たれました。そこからBMXに夢中になって、いくつもの技を練習しては習得する日々でした。新しい技ができるたびに、BMXにどんどんのめり込んでいきましたね。
両親は「やりたい」と思ったことにいつも背中を押してくれるので、練習に明け暮れる僕の代わりに、進学する高校を探してくれていました。最初は全日制の情報も集めていましたが、やはりBMXに集中する時間をたくさん作りたかったので、通信制の学校をいくつか比較していました。
特に母は、第一学院の校内の雰囲気、学業もBMXも両立できる自由度、あとは入学してからの先生のサポート面を吟味した結果、推薦してくれたので、僕も納得して入学を決められました。
第一学院のキャンパスには、火曜日と木曜日に登校しています。入学したての頃と比べて今は仲のいい友だちも増えたので、ノートを真面目にとったり、時にはふざけたりしながら楽しく授業を受けています。それで授業が13時に終わるとすぐ帰宅して、だいたい8時間ぐらいはBMXの練習をしていますね。月曜日、水曜日、金曜日は家にあるトランポリンなどでトレーニングをして、土日は県外に行くこともあります。
学校の授業以外では、試合で忙しくなる前などに自分で時間を見つけて勉強しています。先生は時間がかかりそうなレポートを事前に教えてくれるので、提出締め切り日を過ぎることなく、計画的に進められるんです。
BMXも勉強も、自分なりに両立できていると思います。
BMXの練習や大会で忙しい時に、ちょうど文化祭がありました。僕はほとんど手伝うことができなかったんですが、一年生全体の出し物「タピオカ屋さん」のブースに飾る風船を友だちと膨らましたのが楽しかったです。
あとは、僕の競技のことを紹介してもらうブースも作ってもらいました。どういう内容にすればいいか、先生や友だちとの話し合いには積極的に参加しましたが、実際の作業は練習があってほとんどできませんでした。でもその代わりに、他の友だちが授業後に何時間も残ってやってくれました。BMXのことを紹介する動画を作ってくれた人もいたし、みんな本当に協力的です。
友だちの中には、スポーツ観戦が好きな人もいれば、自転車に興味がある人もいます。みんな僕のやっていることを応援してくれるので、試合やBMXのショーに思いきり集中できますね。
両親はいつでも、僕の意志を大事にしてくれます。父は遠征の付き添いや、練習場所への送り迎えをしてくれます。母は美容系の仕事についているので、試合に合わせてスタイリングを考えたり、栄養面のサポートをしたりしています。自転車の色に合わせて髪を赤にするなど、試合やショーに合わせて自由な格好ができるのも第一学院ならではかもしれません。
僕には姉、弟、妹がいます。姉は僕のレポートを見て、分からないところはすぐに教えてくれるし、妹や弟は母と文化祭に遊びに来て、ブースで記念撮影をしていったみたいです。家族全員が学校のこともBMXのことも応援してくれています。
BMXの試合は年に3、4回で、それ以外はショーに呼ばれることがあります。今は、来年開催される、『CHIMERA GAMES(キメラ・ゲームス)』を見据えて練習中です。海外の選手もたくさん来るのでライバルも多いですが、日本では僕しかできない、横に1回転半してから縦に1回転する技『540 flair(ファイブフォーティー・フレア)』を完璧に仕上げて表彰台にのぼりたいですね。
そして、高校を卒業したらプロとして活躍したいです。プロはスポンサーがいっぱいつかないとやっていけないので、そのためにもこれからの試合を大事にして、良い成績を残せるように頑張りたいです。
BMXは2020年のオリンピックの正式種目にもなっています。でも実はあまりそこは意識していなくて、僕は目の前にある試合にひとつひとつ向き合っている感覚です。まずは迫っている試合に注力したい。そういう性格を家族はもちろん先生も理解しているので、僕のペースで試合に挑んでいます。
インタビュー日時:2019年11月
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