「な、あんた、ほんまにがんばってんねん。」
8月31日(土)チャイルドラインいわて主催の映画上映会『ぼくと駄菓子のいえ』が開催されました。
監督の田中健太さん(25)は大阪芸術大学映像学科で学ばれ、今回が第1回監督作品になります。
田中さんが大学1回生の時「魅力的なおばあちゃんをレポートする」という課題に取り組み、それから卒業までの3年半をかけて、大阪の富田林市にある風和里(ふわり)という小さな駄菓子屋さんに週3~4日通って、このドキュメンタリー映画を完成させました。
この日の上映会には田中健太さんご本人の監督トークも聞くことができました。
田中監督は中学校から学校に行きづらく不登校になったそうです。「とくにいじめに遭ったとか大きなきっかけがあったわけではなかったのですが、行けなくなりました」
そして高校は、地元の大阪を離れ愛知にある不登校の中学生や高校生を支援する全寮制高校に入学。そこで映像づくりを始めたそうです。
駄菓子屋「風和里」に集まる子どもたちは、親の離婚などで母親のいない家庭やネグレクトなどで、厳しい環境にいる子たち。この駄菓子屋の店主の松本明美さん(74・撮影当時)と次女のよしえさんはそんな子どもたちの母親のような存在です。
このドキュメンタリー映画を観て、子どもたちと明美さん・よしえさんとの信頼関係が、まさに家庭や学校に居場所のない子どもたちの大事な居場所になっていると感じました。
それをカメラで撮っている(インタビュウしている)田中監督との信頼関係も、田中監督自身の不登校の経験があったからこそ、築いていけたのだと感じます。
田中健太監督は次回2作目に母校の高校の魅力を伝えたいとドキュメンタリーを企画中だそうです。(2020年4月頃公開予定)
次回作も楽しみです!!
『ぼくと駄菓子のいえ』の中で、通信制高校に転校し、自分で学費を稼ぎながら看護師を目指している女の子に明美さんが掛けた言葉。
「な、あんた、ほんまにがんばってんねん。転校は中退より、ずっと勇気がいることなんよ。友達とか周りのもんとか、ぜんぶ新しい中に、ひとりで入っていくん、ほんまにがんばったんよ」
本当にそう思います。
子どもたちががんばっていることをちゃんと分かってくれている、そんな場所があること、その場所になることが私たちの願いです。