通信制高校のメリット・デメリットとは?

通信制高校は、全日制・定時制高校とは異なり、登校日数が多く定められておらず、自由度の高い勉強の仕方ができるなど、さまざまなメリットがあります。一方で、時間や人間関係に縛られない環境で勉強できるがゆえに、付随するデメリットもいくつか考えられます。ここでは、通信制高校のメリット・デメリットを中心に、全日制や定時制のメリット・デメリットについてもそれぞれまとめてお伝えします。

通信制高校に通うメリット

通信制高校には、全日制・定時制高校にはない、以下のメリットやプラスの評判が挙げられます。

自分のライフスタイルに合わせ、 自分のペースで勉強ができる
通信制高校に通う大きなメリットは、自分のペースで学習を進められることです。全日制高校の場合だとクラス全員同じペースで、決められた時間割の通りに学習していくことになりますが、通信制高校の場合は周囲の生徒のペースを気にせずに集中できる環境が整っています。もちろん、通信制高校でもスクーリングと呼ばれる登校日や、レポートという提出物がありますが、それらに取り組む以外の時間は自分のライフスタイルに合わせることが可能です。自宅などのリラックスできる環境の中で、ストレスに悩まされずに学習を進められます。
働いたり、夢を追いかけたりしながら学習できる
通信制高校では、レポートの提出やスクーリングがある日以外は、自由に時間を利用できます。そのため、アルバイトをしたり、プロスポーツ選手などのアスリートや芸能タレントを目指してレッスンに取り組んだり、福祉・ペット関連・などの資格取得に励んだりなど、大きな夢や目標と並行して学習することができます。
一人ひとりに合わせた高校生活のサポートが充実している
全日制高校では15歳~18歳までが生徒のほとんどを占めますが、通信制高校は15歳~80歳代まで、幅広い年齢層が共に学んでいます。また、いじめや不登校を経験していたり、病気・障害などがあったりして全日制高校への登校が難しい場合も、通信制高校であれば個別に各種サポートを用意している学校が多いため、自宅などの無理のない環境で、高校卒業資格を取得することが可能です。
どのようなタイミングからでも入学ができる
通信制高校では、中学校からの進学はもちろん、いつでも転入学・編入学することが可能です。現在の自分の状況を踏まえ、入学のタイミングを相談するのが良いでしょう。また、以前の高校で修得した単位・在籍期間も原則認められます。
単位制だから留年がなく、以前の高校での実績も引き継げる
通信制高校の多くは、学年制ではなく単位制を採用しているため、留年という概念がありません。「必履修科目を含む74単位以上の単位取得」「36ヶ月以上の在籍期間」「30単位時間以上の特別活動」をすべてクリアすることにより、高校卒業資格を取得できます。各種検定試験に合格すると、単位として認められる場合があります。

通信制高校に通うデメリット

さまざまなメリットがある通信制高校ですが、一方でデメリットやマイナスの評判もあるため、事前に確認しておくことが必要ですが、捉え方次第では、必ずしもデメリットでなくなります。

先生や友人などと過ごす時間が少なくなる可能性がある
登校することが前提である全日制・定時制高校に比べて、通信制高校はスクーリングと呼ばれる登校日が少ない分、先生や友人などと過ごす時間も減ります。ただし昨今、通学できるキャンパスを設置している通信制高校も多く、頻度高くキャンパスへ登校する方もおり、全日制高校と同様に、クラブ活動や各種学校行事・イベントに参加することで、たくさんの友人との出会いがあります。
学習に取り組むための自主性が、ある程度必要である
通信制高校での学習の基本は、「自学自習」のため、自身で学習計画を立て、そちらに沿って日々の勉強やレポートに取り組む必要があるため、自分で決めて自分でやりとげる力が大切です。 そのような気持ちがなければ、卒業に何年もかかったり、卒業自体を諦めてしまったりすることにつながりかねません。しかし、1人ですべてやり切らなければいけないわけではありませんので、重く受け止めすぎないようにしましょう。第一学院高等学校では、スマートフォンやタブレット端末で学習が進められるよう準備をしており、先生の手厚いサポートがあります。
入学後に目標が変わるケースもある
通信制高校では、プロ活動(芸能・スポーツ等)や自分の趣味ややりたいことをメインにしながら高校卒業を目指せます。また、社会に出てからの専門技術を身につけるため、技能連携校と合わせて学習することで、将来の仕事に直結するような学習をすることも可能です。また一方では、それらの目標が変わってしまうケースもあります。しかし、通信制高校は、時間の自由度が高く、さまざまなことにチャレンジできる時間もあるため、あらためて、自分の目標を見つめなおすことができます。

全日制高校・定時制高校のメリットとデメリット

最後に、全日制高校と定時制高校それぞれに通う場合のメリットとデメリットをお伝えします。

全日制高校に通うメリット・デメリット
全日制高校は高校の中で最も学校数が多いので、通信制と比較すると学校の選択肢が豊富にあります。生徒数も多いので、通信制高校と比較した際に文化祭や体育祭といった学校行事が多く、部活動などの課外活動も活発に行われていることが多いです。中学校と同じように毎日学校に通い、学校が定めたカリキュラムに従ってクラスメイトと一緒に授業を受ける学校生活を送ることができます。
デメリットとしては、成績や出席日数などによっては留年がありうるという点が挙げられます。仲良く学んだ仲間は進級したのに、自分だけ同じ学年をもう一度やり直すとなると、精神的につらい思いをすることになります。また、1日のうち長い時間を学校で過ごすため、仕事などそのほかのことに時間を割きたい方にとっては両立が難しくなることも挙げられます。
定時制高校に通うメリット・デメリット
定時制高校はもともと日中働いている方にも教育を受ける機会を与える目的でできた学校のため、働きながらでも勉強できる点がメリットとして挙げられます。また、全日制に比べると少人数教育となり、丁寧な指導が受けられます。集団行動が苦手な方はストレスが少なくて済み、不明点について先生に質問しやすい環境といえます。学生は既に就労していたり、定年退職していたり、高校中退を経験していたりと、幅広い年齢層と背景を持った方が通っており、さまざまな方を受け入れられる環境があるため、のびのびと学習に励むことができます。
一方のデメリットとして大きいものは、中途退学者が多いという点が挙げられます。文部科学省の調査によると、令和3年度の中途退学者数は以下の通りです。
(表)令和3年度 中途退学者数と割合
課程 中途退学者数 中途退学率*
全日制(普通科) 17,589人 0.8%
定時制 5,165人 6.9%
通信制 8,245人 3.8%

*中途退学率は、各区分における在籍者数に占める中途退学者数の割合
参考 文部科学省初等中等教育局児童生徒課「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」, 2022/10/27発表

自由度が高い反面、仕事などに疲れて授業への出席を怠るようなことが続くと、そのまま中途退学へ……ということにもなりかねません。決まった時間に登校する必要はあり、完全に自分のペースで勉強できる環境ではありません。 また、進学希望者が多くないため、進学を希望する学生へのサポートが少ない傾向も考えられるので、事前に確認が必要です。

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第一学院高等学校は「1/1(いちぶんのいち)の教育」を教育理念とし、「生徒第一」の想いを大切に、生徒一人ひとりの高校卒業から進学・就職等の希望進路実現を支援する通信制高校です。全国に設置しているキャンパスに通って高校卒業を目指すコース、スポーツ・ペットなどの専門的な学習と高校卒業を両立するコース、自由な時間を確保しながらネット通信学習で高校卒業を目指すコースを展開しており、多様な状況にある生徒一人ひとりの高校卒業と希望進路の発見・実現を支援しています。 通信制高校への入学・編入・転入をお考えの方は、ぜひともお問い合わせください。

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